中国上海市における分散型エネルギーシステム導入の可能性に関する研究
学生名:顧 群音
研究テーマ:English
(日本語)
入学年月:2010.10
修了年月:2013.09
取得学位:博士(工学)
論文概要:第1章では、本研究の背景と目的について述べ、中国の経済発展に伴うエネルギー消費量の増加、CO2排出量の増加、大気汚染などの深刻な環境問題に焦点を当てています。また、上海市におけるDESの導入が環境的および経済的にどの程度貢献できるかを考察しています。
第2章では、中国および上海市のエネルギー消費の現状を分析し、将来のエネルギー消費傾向を展望しています。エネルギー消費量は年々増加傾向にあり、2035年までに現在の1.7倍に達すると予測されています。
第3章では、コージェネレーションシステム(CGS)、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電など、主要な分散型エネルギー技術について説明しています。
第4章では、世界各国の分散型エネルギー導入状況を比較し、中国における具体的な導入事例と課題について検討しています。
第5章では、中国政府が検討している分散型エネルギーに関する支持政策と、導入時に直面する問題点について分析しています。特に、政策の適用範囲や制度設計の課題に着目しています。
第6章では、上海ガーデンホテルをケーススタディとしてCGSの導入効果を具体的に評価しています。結果として、CGSの導入によりエネルギー消費量が大幅に削減され、CO2排出量も顕著に減少することが示されました。
第7章では、研究結果を総括し、DESの導入が上海市において環境的にも経済的にも有益であることを指摘しています。ただし、初期投資の高さなどの課題が残されていることも示しています。
第8章では、将来の展望として、地域規模でのDES導入計画や都市と農村間の有機的連携の必要性を提案しています。さらに、多様な技術を統合したエネルギー管理の実現可能性についても議論しています。