GISに基づく北九州市の土地利用の用途転換に関する研究

提供: 高偉俊研究室
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学生名:安部宗晴(Abe Muneharu)(2019541002 アベ ムネハル)

研究テーマ:GISに基づく北九州市の土地利用の用途転換に関する研究

学位取得/卒業年月:工学学士/2023.03

論文概要:本研究では、「GISに基づく北九州市の土地利用の用途転換に関する研究」をテーマに、北九州市における土地利用の現状と変化を分析し、その変化要因や都市化の進行について考察しました。主な研究内容は以下の通りです。

1. 背景と目的

人口減少や高齢化社会の到来に伴い、持続可能な都市計画の必要性が高まっています。本研究は、地理情報システム(GIS)を活用して北九州市の土地利用を定量的に分析し、土地利用用途の転換とその要因を明らかにすることを目的としています。

2. 調査と手法

  1. 土地利用分類: 北九州市の土地を「自然地」「人工地」「公共公益用地」のカテゴリに分類し、各用途別の面積変化を評価しました。
  2. 土地利用強度モデル: 土地利用の集約度を示す「土地利用強度モデル」を用いて、土地利用の変化を定量化しました。
  3. 用途変化マトリクス: 1990年から2015年までの土地利用変化をマトリクス形式で整理し、宅地や自然地の用途変遷を分析しました。

3. 主な結果

  1. 土地利用の変化
    • 自然地(山林・農地・水面)は年々減少傾向にあり、2015年には全体の47%を占めるまで減少しました。
    • 宅地や公共公益用地の面積は増加傾向が見られましたが、造成地の増減には分類の影響が確認されました。
  2. 土地利用強度
    • 2000年以降、土地利用の集約度が増加し、都市化が進行していることが確認されました。
    • 土地利用強度指数は2015年時点で「中程度の集約度」を示しており、都市化建設が進展中であることを示唆しています。
  3. 土地用途転換
    • 1990年から2015年の間に宅地面積は約20.27km²増加しました。
    • 公園緑地は増加傾向にある一方、田畑やその他の自然地は全体的に減少しました。

4. 結論と展望

本研究を通じ、北九州市における土地利用の集約化と都市化の進行が明らかになりました。一方で、自然地の減少が顕著であり、持続可能な都市計画のためには、土地利用のバランスを取ることが必要です。今後は、社会的・経済的要因を加味したさらなる分析が求められます。