戸建て住宅の冬季エネルギー消費に関する調査研究
学生名:|高 嘉蔚(Gao Jiawei)(2020541050 コウ カイ)
研究テーマ:戸建て住宅の冬季エネルギー消費に関する調査研究
学位取得/卒業年月:工学学士/2024.03
論文概要:本論文では、「分散型エネルギー資源と配電システムの統合研究」に焦点を当て、分散型エネルギーシステムの最適化について研究を行いました。主な研究内容は以下の通りです。
1. 先行研究
この部分では、日本におけるエネルギー利用の現状および分散型エネルギー源の利用状況について調査を行いました。その後、分散型エネルギー資源および分散型エネルギーシステムに関する先行研究を概観しました。
2. 調査と課題
分散型エネルギーシステムの導入状況や現存する課題を把握するため、東京においてアンケート調査を実施しました。その結果、日本における分散型エネルギーシステムの問題点を明確化しました。次に、日本の北九州学術研究都市(KSRP)における燃料電池、ガスエンジン、PVシステムを含む新しい分散型エネルギーシステムを、2002年および2003年の記録データを用いて分析しました。発電システムと熱回収システムをそれぞれ解析しました。
3. 評価手法
エネルギー節約、環境、経済性を考慮した分散型エネルギーシステムを評価する包括的な評価システムを開発しました。この評価システムは、分散型エネルギーシステムの導入可能性を評価するだけでなく、既存システムの最適化も可能です。また、Washington State Universityが開発したMicrosoft Windows®ベースのソフトウェア「HEATMAP」を導入しました。このソフトウェアは、蒸気、温水、冷水システムの分散型エネルギーシステムを計画・分析・運用するためのツールです。
4. ケーススタディ
この部分では、KSRPの分散型エネルギーシステムを包括的評価システムを用いて評価しました。その後、HEATMAPを用いてガスエンジンシステムの運転モードと運転スケジュールを最適化し、その影響を分析しました。次に、北九州における小規模分散型エネルギーシステムの実現可能性を、ガスボイラーとガスタービンを組み合わせた4つのオプションについて、エネルギー効率、環境負荷、経済効率の観点から評価しました。最後に、さまざまな規模の集合住宅および運転モードを考慮した分散型エネルギーシステムの5つのケースをHEATMAPを用いて比較しました。これらの結果を基に、エネルギー利用効率、環境影響、経済効率について評価・比較を行い、集合住宅の規模や運転モードが分散型エネルギーシステムの導入効果に与える影響を分析しました。