(街路景観のビッグデータとコンピューター視覚技術に基づく都市街路の空間知覚と物理的特徴に関する研究)

提供: 高偉俊研究室
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審査委員会主査 高 偉俊
  〃  副査 龍 有二
  〃  副査 福田 展淳

   〃  副査 堀口 和己 


論文審査の結果の要旨
この研究では、街路景観のビッグデータとコンピューター視覚技術に基づいて、典型的な沿岸都市である青島市と福岡市の街路を調査対象として、都市街路の物理的及び知覚的特性を調査し、街路空間の質の評価との相関関係を明らかにする研究である。
第一章では、論文の研究背景と研究目的を述べた。
第二章では、Web of Scienceデータベースに基づいて、CiteSpace 視覚分析ツールに関連する分野でインパクトの高い文献を分析し、従来研究の特徴と問題点を整理した。
第三章では、街路景観の調査と測定方法を提案し、SD法に基づいたアンケートを作成し、街路景観の評価手法を構築した。
第四章では、青島市と福岡市の街路の主要な物理的特性 (緑化、車両と歩行者、建物の割合、視界に入る境界面、境界面の囲い度合い、天空量) のデータを分析し、道路の空間的特性を明らかにした。
第五章では、GIS及びSD法を用いて、青島市と福岡市の街路の空間物理パラメーターと知覚的特徴について専門家評価を行った。青島市と福岡市の街路のクラスター化と空間的異質性を比較することにより、両市の街路の物理的な特徴と知覚的特徴を特定できた。
第六章では、青島市と福岡市の街路に対して一般市民公開評価を行い、街並みにおける知覚次元の分布と、街路の特徴と現状の問題点を分析し、知覚次元と景観要因との関係を明らかにした。
第七章では、各章の知見と結論を総括した。
以上のとおり、本研究は、都市の街路の視覚的品質評価の手法を構築し、都市景観環境の改善を目指すものである。一連の研究成果は、当該分野に新しい知見を与えるものであり、都市街路景観計画や環境改善に寄与している。よって、本論文の著者は博士(工学)の学位を受ける資格があるものと認める。