北九州市の市民センターにおける電力購入契約(PPA)の導入効果に関する研

学生名:柳田　真周(Yanagida Mahiro)(2019541049 ヤナギダ　マヒロ )

研究テーマ:北九州市の市民センターにおける電力購入契約(PPA)の導入効果に関する研

学位取得/卒業年月:工学学士/2023.03

論文概要本研究では、「北九州市立市民センターにおけるPPA導入の影響」に関する考察を行いました。PPA（Power Purchase Agreement）を通じた再生可能エネルギーの利用促進を目的に、太陽光発電システムの運用状況を評価し、エネルギー効率やCO2削減効果、経済性への影響を検証しました。

研究の背景と目的

北九州市は環境モデル都市として、持続可能なエネルギー活用に取り組んでいます。その一環として、市民センターの屋上に太陽光パネルを設置し、PPAスキームを導入しました。本研究の目的は、この導入がエネルギー効率、環境負荷削減、および運用コストにどのような効果をもたらすかを明らかにすることです。

調査と手法

本研究では、以下の方法を用いて調査を行いました：

1. データ収集：市民センターのPPA契約下での電力消費量と太陽光発電量を分析。
2. 発電効率の評価：ArcGISを使用して、屋根上の太陽光パネルの配置と発電量をシミュレーション。
3. CO2削減量の算出：太陽光発電システムの導入によるCO2削減効果を化石燃料との比較で評価。
4. 経済性分析：運用コスト、電力売却収益、及び導入後の回収年数を比較検討。

主な研究結果

1. エネルギー効率：PPAを利用した太陽光発電は、設置面積や日射条件を考慮した場合、最大限の効率を発揮することが確認されました。
2. CO2削減効果：PPAによる太陽光発電は、従来の化石燃料に比べCO2排出量を最大91%削減可能と推定されました。
3. 経済性：導入初期費用が高い一方で、PPA契約による運用では15年以内にコスト回収が可能であることが示されました。
4. 課題：メンテナンス費用やPPA契約条件が経済性に大きく影響するため、これらを考慮した契約設計が求められます。

結論と提言

PPAを活用した太陽光発電システムの導入は、環境負荷の軽減とエネルギーコスト削減に大きな可能性を秘めています。しかし、契約条件やメンテナンス計画の最適化が必要であり、これらの改善がさらなる効果を引き出す鍵となるでしょう。本研究の成果は、北九州市をはじめとする自治体における再生可能エネルギー導入の一助となることを期待しています。