北九州市拠点駅前の都市空間特性分析及び評価に関する研究

学生名:柳　建安

研究テーマ:English

(日本語)

入学年月:2012.04

修了年月:2016.05

取得学位:博士（工学）

論文概要:本研究は、北九州市における拠点駅前の都市空間の特性を分析し、評価することを目的としています。都市空間の構造は人々の行動、交通、環境に大きな影響を与えており、人々活動や外部要因の変化に伴い常に変動を続けています。本研究では、Space Syntax理論を適用して、北九州市の拠点駅周辺における空間の繋がり関係性に基づく都市形態を解析することを通じて、都市計画に結びつける方法を探求します。

研究の背景と目的は、都市空間の中における人々の行動、交通、環境が背後にある法則、規則性、即ち都市空間の構造との関係性を分析することにあると位置づけられています。Space Syntax理論は、室内空間から大規模な都市空間まで、様々なスケールの空間分析に適用されており、都市形態解析の一つのツールとして多様な分析手法の提案と都市構造分析の成果が報告されています。

本研究では、以下のように具体的目標を設定しています：

1. 拠点駅の類型化とそれを用いた解析に関わる方法論を定位し、北九州拠点駅エリオを対象として具体的な分析を試み、その有効性を検証する。
2. 拠点駅エリア内土地用途の経年変化による状況を分析し、その実態を明確にする方法を提示し、そのエリア内土地用途推移、施設集積の状況から、それぞれの地域内の変容プロセスの実態を明確にする。
3. 以上2つの視点から、拠点駅地域にGISデータベースシステムを構築し、これを用いて地域イメージにおける分析のプロセスを検証する。

研究の内容は、Space Syntax理論の基礎理論及び発展、都市空間の研究手法、拠点駅前都市空間及び土地用途の類型化に関する研究、北九州市土地用途変化の分析および利用の評価、施設用途別集積とSpaceSyntax相関の分析、北九州市拠点駅周辺特性評価などの章から構成されています。

本研究は、都市空間の類型化とそれを用いた地区の解析ための分析方法論の定位とその検証としての実態分析に着目し、都市計画における誘導や制御の方法論にアプローチする基礎的研究として位置づけられています。