北九州市立大学ひびきの校舎屋上の太陽光発電システムの考察と評価
学生名:|武内 裕康(Takeuchi Hiroyasu)(2018541020 Takeuchi Hiroyasu)
研究テーマ:北九州市立大学ひびきの校舎屋上の太陽光発電システムの考察と評価
学位取得/卒業年月:工学学士/2042.03
論文概要:本論文では、「北九州市立大学ひびきの校舎屋上の太陽光発電システムの考察と評価」をテーマに、太陽光パネルの現状、発電量分析、コスト評価を通じて設備の効率性と課題を検討しました。主な研究内容は以下の通りです。
1. はじめに
北九州市立大学ひびきの校舎では、環境配慮型エネルギー供給の一環として太陽光発電システムが導入されています。しかし現在、設置された多くのモジュールが機能していない現状を踏まえ、初期費用、維持費用、回収年数などの観点からその評価を行いました。
2. ひびきの校舎屋上太陽光パネルの現状
設置当初、153.3kWの発電能力を持つ太陽光モジュールが屋上に設置されていました。しかし、設置から約10年後に多くのモジュールが基盤回路の故障により稼働を停止し、現在はわずか1モジュールが稼働している状況です。また、安全性の観点から一部のモジュールは撤去されています。
3. 発電量分析
2001年から2021年までの発電量データを分析した結果、設置から10年を過ぎると発電量が急激に低下していることが確認されました。特に2011年以降、回路故障が主な原因で発電量が安定しなくなったことが判明しました。
4. コスト評価
太陽光モジュールにかかる初期費用、維持費用、削減電気料金などを分析したところ、約8千万円の損失が発生していることが分かりました。一方で最新型太陽光パネル(K社製)を導入した場合の回収年数は約8.84年であり、現在のモジュールの回収年数(約44.72年)に比べ大幅に効率が改善されることが確認されました。
5. 推定発電量の比較
現行の太陽光モジュールと最新型モジュールの発電効率を比較した結果、最新型パネルは発電量が高く、コストパフォーマンスの面でも優れていることが明らかになりました。
6. まとめ
- 現在の太陽光パネルはほとんど機能しておらず、コスト面で大きな損失を生んでいます。
- 故障のない条件下でも、最新型モジュールと比較すると回収年数に約35年の差があります。
- 設備投資の際には、基盤回路やパワーコンディショナの耐用年数に対応した資金計画が必要です。
本研究は、太陽光発電システムの運用における課題を明確化し、将来の施設投資計画の参考となる知見を提供します。